こんにちは!「超野球専門店CV」店長ゆうたです。
このブログでは超野球専門店ならではの切り口で野球にまつわる情報をアップしていきます。
昔と比べて。。。
グラブの値段が年々上がっています。
専門店としては野球がお金持ちの人しか出来なくなるのではないかと非常に危惧している一方で、「致し方ないな。。。」という思いも同時に抱いている次第でございます。
今回なぜ「致し方ない」なのかも明らかにしていくと同時に、安いグラブと高いグラブで具体的に何がどう違ってどのようなユーザーにオススメなのかをご紹介していきたいと思います。
グラブ価格高騰の背景にあるもの
まずは何がそこまでグラブの価格を押し上げているのかをご説明したいと思います。
様々なことが要因としてございます。
1つには、海外の人件費の高騰があげられます。
近年、野球市場における価格競争が激しさを増しメーカーの利益を圧迫していきました。
利益を出さなければいけない大手メーカーはこぞって海外にグラブ工場をシフト。
一時は海外の安価な人件費でメーカーの利益を押し上げていきましたが、海外への工場移管は何も野球市場だけのことではありません。
様々な業種が海外に工場をシフトし、工員の確保のために賃金がアップしだしました。
とはいってもまだ日本の賃金と比べると安いですが、それでも一昔前と比べると相当な上がり幅となっております。
これは致し方ないことです。
海外の人にも生活があり、資本主義社会である以上は賃金が上昇することはむしろ歓迎されることだからです。
更に、輸送コストの大幅な値上がりも影響しております。
原油高に加え、為替の影響も大きくこれもコストを押し上げる要因となっております。
コロナ禍でのコンテナ船運賃の大幅な値上げ(一説には約3倍の値上げとの話も)も乗ってきます。
更に更に皮から革へ鞣すのに必要な薬品の価格も若干値上がっております。
これも、革を作るのには欠かせないものですから致し方ないものです。
革つながりでお話しますと、原皮の状態が非常に悪く(皮のキズが多かったりシワやシミが多かったり)これが革の価格を押し上げている現状もございます。
なぜ原皮の状態が悪いのかといいますと、これは世界的な食肉文化の広がりによるところが大きいです。
牛を半ば強制的に太らせて脂分の多い牛肉を生み出す。
霜降り肉が高級肉として食され、高値で売れていく。
そんな肥満体質の牛の皮が健康的な皮になりうるのかというと、そこはやはり人間と一緒。
同じ動物ですのでニキビが増えたり、肥満による皮の伸びやシワ、もっとひどい場合は皮膚病等が増えてしまう訳です。
そうなると原皮の状態からそのような皮なので、革に鞣したとしてもそれらが悪さをすることが往々にしてあるわけです。
そんな革をメーカーは買い取ってはくれません。
だから状態の良い革だけを選別してメーカーは買い付けていくわけです。
しかし、タンナーも生活していかなければなりません。悪い革が不良在庫として残り、良い革だけをそのまま安く販売していたらとてもじゃないですが生活できなくなってしまいます。
なので、比較的キズやシワ、シミなどが少ない革は値段が上がってしまう訳です。
我々がグラブとして手にしている革はこれに当たります。
また、メーカーがプロ野球選手などに自社商品を使って貰うために多額の契約金を支払っており、そのようなことが市場のグラブ価格を上げているんだという話も一部ではあります。
しかし、用品提供はむしろ昔と比べると大幅に減っておりプロ選手でもかなりの有力選手でない限りは中々メーカーから契約を持ちかけられなくなっているそうです。
これはメーカーから伝え聞いているだけですので真偽のほどは定かではないのですが。。。
ただ、たまにプロの選手のお話なんかを聞く機会があって聞いてみると用具提供は以前と比べると相当減っているという話も聞くことがあるのであながち嘘ではないのかなと思います|ω・)
このような様々な要因が絡まりあって、市場のグラブ価格は高騰していっているという現状があるのです(;_;)
安いグラブと高いグラブ。何が違うの?
総じてグラブの値段が上がっているということは先ほどお話した通りですが、市場には安いグラブと高いグラブが存在します。
硬式でも20,000円で買えるものから70,000円を超えてくるものまで様々です。
安いグラブと高いグラブで何がどう違うのかを解説していきます。
まずは革についてですが、安いグラブの革の多くは即戦力として扱いやすいように柔らかめに仕上げてあるものが多いです。
こちらはゼットが出しているソフトステアという軟式グラブのシリーズです。
少し馴染ませるだけですぐに使えるレベルの柔らかさです。
野球初心者や子どもとのキャッチボール程度で使うなど、使用頻度がそこまで多くないライトな層はこうしたグラブがオススメです。
ただし、安価なグラブに総じて言えることは耐久性的には劣るということです。
ここで誤解して欲しくないのですが、革が柔らかい=耐久性に劣るではないのでご注意ください。
またゼットなどの大手メーカーが出している安価なグラブであれば、そんなにすぐにダメになるということはございませんのでご安心ください( *´艸`)
使い方やお手入れの仕方によって寿命は変わりますが、安価なグラブであっても普通に使用していただければ1年位はもつでしょう。ただし、ハードに毎日毎日使用するとそこまではもたないということも十分ございますのでご了承ください。
安価なグラブは革質的にあまりよろしくないものを使用していることが多いのは事実ですが、耐久性の問題でいうと芯材が影響を及ぼしていることが多いと感じます。
芯材とは何ぞや?という方のためにご紹介。
こちらは海外で販売している某メーカーのグラブの芯材。糸くずみたいなのが固められて作られています。こうした芯材は非常に安価で弱いです。
国内メーカーでも安いグラブなどには使用される芯材です。
芯材というものは表からは見えません。なので、いかようにも出来てしまうのです。
異常に安いグラブはまずこうしたところでコストカットされて作られておりますのでご注意ください。
芯材に関しては以前の記事で詳しくご説明させていただいておりますので、ご覧ください。
【グラブ】芯材って大事。芯材はもっと注目されてもいいと思う。
あとはヘリ革などでもコストカットされることがありますね。合成皮革ですと安く作れますが下記画像のように割れたりボソボソになってしまったりします。
ヘリ革は手入れ感やグラブの柔軟性にも関わってくるところですので、意外と重要です。
私たちは見た目的に分かりますが、一般の方が見分けるのは難しいかもしれません。
断面を見ると革の繊維と合皮では明らかに異なりますので分かるかもしれません。
接写するとピントが合わなかったため分かりにくい画像ですみません(;_;)
逆に高価なグラブはこうした目に見えないところにも手を抜かずしっかりと作り込まれています。
そのため芯材がへたりにくく、型も維持されやすいため球際の打球などにも負けにくいグラブとなりやすいです。
革も耐久性と馴染みの良さのバランスが良いものが多いと感じます。
ただし、値段が高ければ全て良いかと言うとそうではありません。正直、「この値段でこのクオリティ?」と首を傾げることもございますのでそこはお店の人の目利きが重要となります。
高価なグラブですので選ぶ際は信頼のおける知識豊富なお店でお選びすることをオススメいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日はグラブ価格高騰の背景と安いグラブと高いグラブの違いについてのお話でした。
・グラブ価格高騰の背景には様々な要因がある
・安いグラブには最初から柔らかいグラブが多く、へたりは早い
・高価なグラブは耐久性や馴染みにも優れる
繰り返しになりますがグラブは価格が高い方が使いやすいという訳ではございません。
選手によっては安いグラブの方がオススメの場合もございますし、高い方がいいよという場合ももちろんございます。
選手のレベルや使用状況によってお選びするのをオススメします( *´艸`)
グラブのご相談は是非当店まで!
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