こんにちは!「超野球専門店CV」店長ゆうたです。
このブログでは超野球専門店ならではの切り口で野球にまつわる情報をアップしていきます。
どこもかしこも湯もみ型付け
今ではあらゆるお店、個人が自称「湯もみ型付け」をする時代となりました。
どの型付けでもメリット・デメリットはありますが湯もみ型付けも例外ではありません。
しっかりとメリットとデメリットを理解した上で湯もみすることをお勧めします。
そもそも革をお湯に浸けるという行為はグラブだけでしか見られません。
本当に革をお湯に浸けてもいいのか?
そこの理解も無く、ただただYouTubeで見たからといって湯に浸けてしまうと高価なグラブが台無しになりますよ~(;_;)
革をお湯に浸けるという行為
そもそも革ってお湯に浸けてもいいものなのでしょうか?
実は、革は鞣しの工程で水やお湯を使用しますので既に水に浸けています。
皮から革へ鞣すのですが、そうした工程を請け負っているのがタンナーです。
鞣しってそもそも何?って方はバックナンバーの「革が鳴く。生きているから。」の記事をご参照ください。
なので革自体をお湯に浸けるという行為は実はそこまで悪いことではありません。
お湯への浸け方というのが重要となっていきます。
ここからが問題。
グラブをお湯に浸けるとどうなるか?
革の性質として元の形状に戻ろうとするのです。
元の形状とは牛が生きていた時の状態。
なので、湯もみとはメーカーサイドで整えた立体的な形状を一度リセットさせるような行為となります。
逆に言うとリセットして自分の型に染め上げたいという人には有効です。
更に、タンナーが革をメーカーに卸す際に湯もみを計算して革の油分量や水分量のバランスを決めているかというとほとんどの場合はそうではありません。
計算してタンナーに依頼しているメーカーもあるようですが、ごく僅かです。
よって、タンナーが最高の状態で仕上げた革の油分量や水分量のバランスを崩すような恐れが湯もみにはあります。
最悪の場合、革の需要を縮めてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。
湯もみのメリットは?
では、湯もみにメリットはないのかというとそんなことはございません。
お湯に浸けるということで、型付けしやすかったり柔らかくしやすかったりします。
革に柔軟性が生まれるのでボールも弾きにくくなるかもしれませんね。
あとは油分の多い革なんかはサッと浸ければ、油分を飛ばすことも出来ます。
ただし、革はタンナーによって全く処方が違いますし革の種類によっても全然仕様を変えています。
なので、その革に応じたお湯の温度や浸ける時間というのを完全に把握してマスターしていれば湯もみは非常に有効な型付け手段だとは思うのです。
私は革のことを知れば知るほどそれらを管理しコントロールするのは容易ではないと痛感しました。
実はこうした理由から当店では湯もみ加工は受付していないのです。
ましてや個人で適当に湯に浸ける行為は絶対にやめた方がいいと思います(-_-;)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は湯もみ型付けに関しての記事でした。
・湯もみのメリット・デメリットを理解しているか?
・メリットとしては革に柔軟性をもたらしてくれる
・デメリットは立体造形が一度崩れたり、油分量・水分量のバランスを損なう恐れがある
誤解して欲しくないのですが、湯もみ加工を否定している訳ではございません。
メーカーの方で出荷前に湯もみ加工をしている商品を当店では販売もしております。
メーカーは自社の革をちゃんと知り尽くした上で湯もみしていると思うので( *´艸`)
中途半端な知識や、なんとなくの感覚で湯もみをしているお店や個人がいたらそれはやめた方がいいと思うのです。
もし、湯もみ加工をお願いしたいという場合は本当に信頼のおけるお店さんにお願いしてくださいねm(_ _)m
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